業界最大手であるSBI証券。ネット証券として頭角を表しており、ネットリテラシーの高い20〜30代を中心に人気の証券会社です。
しかし、大手だからこそ「サービスが多くてよく分からない…」「他の証券会社と何が違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SBI証券利用歴10年の筆者が「とりあえずSBI証券で作っておけ!」と言える理由、またデメリットなどを赤裸々に紹介します。
SBI証券のここが推せる!おすすめポイントを紹介
SBI証券ユーザーである私が考える「推しポイント」は、以下の3つです。
- スマホアプリの使い勝手がいい
- 売買手数料が無料
- 商品の取り扱い範囲が広い
では、それぞれ紹介します。
スマホアプリの使い勝手が良い!
株情報は毎日の歯磨きのように追ってチェックしたいもの。だからこそシステムは「チェックしやすい」「情報が集約している」「売買しやすい」など、日々に寄り添ったものを使いたいですよね。
この点で、SBI証券のスマホアプリはUIがよく直感的に操作できるのが魅力的です。また、さまざまな情報にすぐアクセスでき、アプリひとつで主要ニュースや銘柄情報(財務状況や四季報など)を網羅することができます。
アプリにログインすると下タブに「マーケット」「登録銘柄」「口座管理」「注文照会」などのボタンが表示されます。ワンタップで切り替えられますし、迷うことがありません。
特に「マーケット」では日経平均などの主要指標だけでなく、株価のランキングを閲覧できるのもポイント。例えば下記画像のように「全市場・値上がり幅」と条件を設定すれば、全市場で値上がり幅が大きかった銘柄をランキング形式で表示させることができます。
株の購入タイミングを測りたい時や、業界全体の状態を知りたい時などに便利です。
手数料が安い!
売買手数料は1回につき数百円程度かかるのが一般的ですが、SBI証券では注文・郵送などをすべてインターネット電子交付サービスに切り替えると、日本株・米国株・海外ETFなどの売買手数料がすべて無料になります。
私はよく、買った銘柄が値下がりした時に追加購入(いわゆる「ナンピン」)をするのですが、本来であれば追加する度に手数料がかかります。「まとめて買えばよかった…」と後悔しがちな場面でもSBI証券は無料なので、とてもありがたいです。
現時点で「手数料無料」を打ち出しているのはSBI証券と楽天証券のみ。手数料が業界最安値の証券会社だと言えます。
商品の取り扱い範囲が広い
SBI証券は商品の取り扱い範囲が広いのも特徴です。口座をひとつ持っておくだけで、汎用的に使うことができます。
- 国内株式
- 外国株式・海外ETF
- 投資信託
- FX
- 先物・オプション
- CFD
また外国株式や投資信託も充実しており、国別銘柄は主要ネット証券最多である「9カ国」を取り扱っています。
投資では「分散投資が大切」と言われますが、SBI証券では米国はもちろん、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど新興国の投資にも挑戦できるので、多様なポートフォリオを作りたい方にもおすすめです。
そもそもSBI証券とは?
SBI証券とは業界最大手の証券会社です。グループの口座開設数は1,300万件を突破しており、IPO銘柄の扱いについては90%以上を網羅しています(2024年時点)。
さらに外部調査でも「利用者の約6割がメイン口座として使っている」「5段階評価で4点以上をつけた回答者が77%以上」と好評な結果が出ています。ユーザーの満足度も高い証券会社だと言えるでしょう。
参考:【2024年6月調査】SBI証券の評判に関するアンケート調査
なお、SBI証券のグループ会社には、保険会社の「SBI生命保険」、暗号資産取引ができる「SBI VCトレード」などがあります。
SBI証券の活用法
では、私が実際に行っているSBI証券の活用法について紹介します。
「かんたん積立」で貯金感覚の投資
日頃から「貯金したい」と思ってもつい誘惑に負けたり、忘れてしまったりしませんか?そんなときに便利なのが、貯金感覚で投資信託ができる「かんたん積立」というサービスです。
かんたん積立では「毎日(毎月)いくら、積立投資する」と事前に設定できるため、まとめて口座に入金しておけば忘れることがありません。また運用された利益を「再投資」すれば、さらに大きな利益を期待できます。
専用アプリではかわいらしいロボットがお出迎え。ポートフォリオもグラフで表示されるため、視認性も良いです。
※一部金額等を画像処理しています。
私も「かんたん積立」で毎日数百円、コツコツ投資できるように設定しています。私生活でまとまったお金が必要になった時は一部だけ解約すれば良いため、感覚的には貯金用口座と大きな違いはありません。
貯金をしたいけど「金利が低い銀行に預けるのはもったいない」「コツコツ貯金できずに挫折する」といった方には特にオススメです。
「マーケット」からニュースを“ザッピング”する
SBI証券のアプリにある「マーケット」から経済ニュースを確認することができます。記事画面を横にスワイプすると次のニュースに移れるため、ニュースの大枠を掴むのにピッタリです。
株価指数だけでなく、ロイターのニュースもここから閲覧できるのがお気に入り。忙しい中でもニュースに触れることができます。
値下がりしている安い株をウォッチ!
前述の通り、SBI証券のアプリでは株の状態をランキング形式で表示させることができます。私は新規で株を探すとき、このランキングで「値下がり幅が大きい」会社をウォッチし、気になった会社があれば「詳細」から調べるようにしています。
なぜ下がっている株を見るかというと、一度高い値をつけている株が下落しているなら「従来の価値は高いのに、現在は安売りセールとなっている」と考えられるためです。
もちろんこれだけで購入することはありませんが、知らない企業を調べるきっかけにもなるので、購入の入口として使っています。
SBI証券と連携させるとオトクなもの
SBI証券は、以下の各種ポイントカードと連携させることができます。
- Vポイント
- Ponta
- dポイント
- e JALポイント
- PayPayポイント
これらを連携させると、さまざまな特典が手に入ります。
- 手数料に対してポイントが付与される
- 投資信託の保有額に応じてポイントが付与される
- ポイントを使って投資信託を購入できる など
三井住友Oliveカードと連携すると積立投資が簡単に
SBI証券は三井住友カードと提携しており、三井住友カードから積立投資をすることができます。カードと連携させずに「かんたん積立」を行った場合、定額の積立設定はできるものの、証券口座に残金が残っていない場合は積立されません。
しかし、カードと連携させれば「カードの引き落とし」として自動で積立てることができるため、入金に気を配る必要がありません。また積み立てた分だけポイントも付与され、二重にメリットが。使い方次第で還元率も変わるので、工夫してみるのも楽しいですね。
これからSBI証券を活用する際のポイント、注意点
SBI証券を活用する際の注意点を紹介します。
最初は運用する商品を絞る
SBI証券は取り扱っている金融商品が多いため、初心者の方は「何から始めよう?」と迷ってしまうことがあるかもしれません。またスマホアプリの数も多く、FX、米国株、日本株、積立を同時に行うと、4つのアプリがスマホを占領することになります。
個人的に、慣れないうちは「日本株」もしくは「かんたん積立」から始めると、気軽に取り組めるかと思います。特にかんたん積立は事前設定すれば自動積立ができるため「投資にあまり時間を割きたくない」「放ったらかしで資産を増やしたい」という方におすすめです。
パスワードを忘れないように注意
SBI証券の利用では「ログインパスワード」「取引パスワード」と2つのパスワードを求められます。違ったパスワードを設定することはもちろんですが、英数字のほか「#」「$」といった記号も使うため、基本的に他社パスワードを使いまわすことができないようになっています。
忘れてしまうと再発行に手間がかかるため、どこか安全な場所にメモをしておきましょう。
まとめ
SBI証券は最大手の会社だけあって、投資商品数、スマホアプリの簡易さ、手数料など、使い勝手の良さはピカイチだと思います。
一方で、アプリの数が多く増えてしまうこと、そのなかでもFXは分析しやすい外部アプリであるMT5(MT4)に対応していないことなど、細かなデメリットがあるのも事実です。
とはいえ、初心者の方は口座開設を迷ったなら「とりあえずSBI証券で作っておけば大丈夫!」と自信を持って言うことができます。投資を始める方は、ぜひSBI証券で口座を作ってみてください。
執筆者:小川 真里奈(おがわまりな)
バックオフィス改善コンサル企業を経てフリーのライター・ディレクターとして独立。主に導入事例、採用記事、金融メディアなどで執筆。
FP3級、薬膳コーディネーター。3児の母。
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