新NISAの「損切り」タイミングは?大暴落時にとるべき行動も解説

losscut

「新NISAを使えば、利益にかかる税金がとられなくてお得らしい」と聞いて、新NISAで積立投資をスタートした人は多いかもしれません。

しかしあるとき突然、株式相場が大暴落!こうしたタイミングでは、保有している投資信託などを売って「損切り」するべきなのか、迷ってしまいがちです。実際、2024年8月に株価が暴落した際には、「もう投資信託を売っちゃったほうがいいのかな…」「投資って怖い!」といった声が多く聞かれました。

こうしたタイミングでは損切りするべきなのでしょうか。結論からいうと、新NISAで長期投資をしているか、それとも短期投資をしているかによって、判断が分かれます

この記事では、新NISA利用者の損切りするべきタイミングや、相場が大暴落した際にやるべきことについて解説します。困ったときにぜひ参考にしてくださいね。

目次

新NISAで積立投資している銘柄の損切りは必要か?

結論から言うと、新NISAで積立投資している銘柄の損切りは、基本的には不要です。その理由は、積立投資は数年〜十数年かけて運用する「長期投資」を前提とした仕組みであり、時間をかけて資産を増やすための投資手法だからです。

積立投資は、定期的に同じ銘柄を購入して価格を平準化する「ドルコスト平均法」の特徴を活かしています。市場が短期的に大きく変動し、一時的に損失が膨らんだとしても、長期的にはリターンが得られる可能性が高いため、慌てて売却する必要はありません。

例えば、世界的な金融危機や自然災害が原因で相場が急落した場合でも、歴史的には相場が回復することがほとんどです。そのため、積立投資を行っている場合は、感情的な判断で損切りを決断するのではなく、長期的な視点を持つことが重要です。

新NISAで短期投資している銘柄の「損切りタイミング」とは

一方、新NISAで短期投資している場合は、損切りのタイミングを慎重に見極める必要があります。ここでは、損切りの目安となるタイミングを2つ紹介します。

事前に決めておいた損失率を超えたとき

株式投資やレバレッジの効いたETFなどで短期投資をしている場合、「損失が一定水準に達したら売却する」というルールを事前に設定しておくことが重要です。

例えば、「投資額が-20%を下回ったら損切りする」などのルールを作ることで、大きな損失を回避し、資金効率を高めることができます。この基準は損失率だけでなく、損失額として設定することも可能です。

損切りラインを明確にすることで、感情に左右されずに冷静な判断を下せるようになります。特に初心者の方は、こうしたルールを守ることがリスク管理の第一歩です。

下降トレンドに入ったと見られるとき

チャート分析に基づき、銘柄が明らかに下降トレンドに入ったと判断できる場合は、損切りを検討するのもひとつの選択肢です。下降トレンドが続くと、資金が長期間塩漬け状態になるリスクが高まるからです。

ただし、チャート分析には一定のテクニックが必要になります。短期投資においては特に、チャートを使ったリスク管理が非常に重要になるため、基本的なチャートパターンや移動平均線の使い方を学び、トレンドを判断する能力を高めることが大切です。

新NISAにおける「損切り」のメリットとは

そもそも新NISAで運用中の銘柄を損切りするメリットは何でしょうか。主に以下の3点が挙げられます。

新NISAの非課税枠を有効活用できる

新NISA特有のメリットとして「非課税枠を有効活用できること」が挙げられます。新NISAでは、1口座につき1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)の「非課税保有限度額」が設定されています。この限度額内であれば、資産から得た利益は非課税となります。

仮に、損失が出ている資産1,800万円を長く塩漬けにしている場合、新たに新NISAを使って銘柄を買い付けることはできません。しかし損切りによってこの1,800万円を売却した場合、新たに1,800万円分の資産を投資に回せるようになります。

ただし、新NISAでも年間に使用できる限度額が決まっています。つみたて投資枠は年120万円まで、成長投資枠は年240万円までです。この制限を超えて非課税枠を利用することはできませんのでご注意ください。

出典:金融庁「NISAを知る」

損失を最小限に抑えられる

これは新NISAでの資産運用に限った話ではありませんが、損切りを行うことで、それ以上の損失が拡大するのを防ぐことが可能です。

特に短期投資では、損切りラインを決めておくことで、損切りを行った資金を他の有望な銘柄に投資でき、資金を効率的に活用できるようになります。

精神的なストレスを軽減できる

投資初心者にとってもプロにとっても、含み損を抱え続けることは精神的な負担につながります。しかし損切りを行うことで、そのストレスから解放され、冷静な投資判断を続けるための余裕が生まれるかもしれません。

新NISAにおける損切りのデメリット

一方で、新NISAにおける損切りにはデメリットも存在します。以下に3つの主なデメリットを説明します。

新NISAは損益通算の対象外

損益通算」とは、同じ年に発生した利益や損失を相殺し、課税の対象となる利益を減らせる仕組みのことです。通常の取引口座ではこの損益通算の対象ですが、新NISAは対象外となります。

よって、新NISAで保有銘柄を損切りして損失を確定したとしても、他の取引口座の利益とは相殺できない点にご注意ください。

損失が確定し、利益回復の機会を失う

損切りを行った後に相場が回復する場合、損切りしなければ得られた利益を逃してしまうことがあります。特に長期投資では、こうした機会損失が結果に大きく影響することがあるため、慎重な行動が求められるでしょう。

取引コストがかかる場合がある

損切りを行う際には、基本的に売買手数料や税金などの取引コストが発生します。これらのコストが積み重なると、投資全体のパフォーマンスを押し下げる原因となります。

ただし、新NISA口座での取引には手数料がかからない証券会社もあるため、詳しくは利用中の証券会社の手数料制度を確認してみるとよいでしょう。

新NISAで積立投資中に相場が大暴落。どうすればよい?

では、新NISAで積立投資を行っている最中に株式相場が大暴落した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。基本のポイントを3つ紹介します。

パニック売り(狼狽売り)を避ける

相場の急落に直面すると、資産を守るために慌てて売却してしまうことがあります。これを「パニック売り」「狼狽(ろうばい)売り」といいます。

しかし、このような行動は、長期的な投資成績を大きく損ねる原因になります。相場が下落している時に売却すると、安値で資産を手放すことになり、回復の恩恵を受けられなくなるからです。

投資の世界では「時間を味方につける」ことが重要です。パニック売りを避けるためには、冷静さを保ち、自分の投資目的を見失わないようにしましょう。

積立投資を継続する

相場が下落している時は、むしろ銘柄を安く購入できる絶好のタイミングです。このため、積立投資を継続することが推奨されます

多くの投資信託やETFは「ドルコスト平均法」を活用する仕組みで、定期的に一定額を投資することで平均購入価格を抑えられます。相場が安い時ほど多くの単位を購入できるため、長期的に見れば利益を得やすくなります。

また同じ理由で、積立金額を減らすことも避けたほうがよいです。短期的な市場の動きに左右されず、計画的な積立を続けることが成功への鍵となります。

情報収集と市場分析を行う

新NISAでの積立投資は、原則として特に何もしない「ほったらかし投資」で問題ありません。

しかし、大暴落時などの重要なタイミングで市場の動向や保有銘柄の値動きを注視しておくと、資産運用に関する知識を蓄積でき、より安心して投資を続けられるようになります。相場に関するニュースや専門家の意見を参考にしながら、どのような要因で市場が動いているのか、こういった場合にチャートをどう分析するのかなどを勉強してみましょう。

また、大暴落が一時的なものであれば、回復を待つ余裕を持つことも重要です。投資は長期的な視点が求められるため、目先の変動に過剰反応しないよう心がけましょう。

まとめ

新NISAでの積立投資は、長期的な成長を目指すものです。相場の下落に一喜一憂せず、冷静に対応するとよいでしょう。

一方、新NISAを使って短期投資をしている場合は、事前に損切りルールを設定し、感情に左右されずにリスクを管理することが大切です。チャート分析や市場動向の理解を深めることも重要といえます。

相場の大暴落時には、パニック売りを避け、積立投資を継続することで、将来的な利益を最大化する可能性が高まります。投資初心者の方も、自分の投資方針を明確にし、長期的な視点を持つことで、安定した資産形成を目指しましょう。

執筆者:金指 歩(かなさしあゆみ)

株式会社となりの編プロ 代表取締役・編集者・ライター。大学卒業後、大手信託銀行に4年半勤務。住宅ローンや投資信託、法人向け預金商品の営業を担当。その後、不動産関連会社、証券会社、ITベンチャーを経て、2017年12月よりライターとして開業。2023年12月に法人化。主に金融・ビジネス・人材系のコンテンツ制作に携わっている。

<このメディアについて>
となりの資産運用』は、資産を増やしたいすべての人に向けて、投資や資産形成などお金に関する全般的な知識、情報をわかりやすくお伝えしているメディアです。ぜひ他の記事も併せてご覧ください。

<注意事項>
このメディアは、読者の皆様へ継続的に無料で良質な情報をお届けするため、広告による収益モデルを活用しております。
記事の内容に合わせ、読者の皆様が特定のバナーをクリックした際に当社へ報酬が支払われる「ディスプレイ広告」、本サイトを通じて一定の成果地点(証券口座開設など)へ到達した際に当社へ報酬が支払われる「成果報酬型広告」等を扱っています。
扱う広告によって記事の内容が不当に変更されることはございません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次