人の生涯年収は1.5億円から3億円程度だといわれています。納税などで差し引かれる金額を考えても、おそらく1億円近いお金は手にするはずです。
しかし手元の財布や電子マネー、銀行などの残高を確認すると、そんな大金はどこへやら。「給料はどこへ消えた⁉」「今月もお金がない!」となっている人は少なくないかもしれません。
そして今や“人生100年時代”。お金を賢く管理していく必要性は今までよりも増しているといえます。
そこでこの連載では、日頃から“お金の話題”に触れている金融ライターや編集者、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の皆さんに、自身のマネープランや資産管理のコツを教えてもらうことにしました。
今回は、金融ライター・太田 えりこさんのマネープランを覗き見してみましょう。
「好きなこと」にお金を使いたいから普段の生活はシンプル
金融ライターの太田です。私はAFP/2級FP技能士の資格を活かし、投資や保険、家計の見直しなど、お金の貯め方、増やし方に関する記事を多く執筆しています。
私はどちらかというと物欲がないので、美容やファッション、アクセサリーなどにかけるお金は一般的な相場よりもたぶん低いです。
その代わり、好きなことや楽しいことにお金を使いたいタイプなので、旅行や飲み歩きではいろんなところを巡ったり、ちょっとリッチな旅館に泊まって贅沢気分を味わったりします。
お金の使うところ、使わないところがハッキリしているのかもしれません。
資産管理のポイントは「先取り貯蓄」と「収支の共有」
私は結婚前、ずっと共同財布を使っていました。共同財布とは、私の財布でも夫の財布でもなく、第3の財布のことです。毎月お互いに定額ずつ入れて、食事代やデート代、ガソリン代もすべてその共同財布から支払っていました。
共同財布なら、「どっちが払う・払わない」のトラブルがないだけでなく、「来月の旅行のために貯める」と協力してお金を貯められるので、私たちのスタイルに合っていたと思います。
結婚後、この共同財布は「貯蓄専用の口座」へと姿を変え、先取り貯蓄の入金先として今も活躍中です。そのほか、私はNISA(つみたて投資枠)を、夫はNISA(つみたて投資枠)とiDeCoを利用しています。
とはいえ、私はこれまでパートだったので、月によって収入にバラつきがありました。また、自動車税や奨学金の返済、住宅ローンなど、大きな引き落としが重なる月も結構あり、赤字になることもしばしば……。そのため、そのときの家計の状況を相談しながら、貯蓄額や投資額を減らしたり増やしたりしています。
また、私は以前からずっと家計簿をつけています。家計簿によってお金の流れを「見える化」できるので、先取り貯蓄やNISAに充てる金額を決めやすくなります。また、家計が少し苦しいときに相手に相談する際にも、納得してもらいやすくておすすめです。
「お弁当代」をもらって節約&貯金に
案外おすすめなのは、「お弁当貯金」です。
旦那さまにお弁当を作っているご家庭も多いのではないでしょうか。お弁当づくりは、意外と大変ですよね。
「お弁当貯金」というと、お弁当を持参して節約することを思い浮かべる方が多いと思いますが、私の場合はちょっと違って、お弁当をつくった日には「お弁当代」として300円もらっていました。
スーパーでお弁当を買うと約400円かかるので、お弁当の持参は夫にとって節約&健康的です。また、もし平日5日間お弁当を作れると一週間で1,500円、1か月で約6,000円になるので、私にとってもお弁当づくりのモチベーションにつながりました。
もらったお弁当代はそのまま貯蓄にまわし、ある程度貯まったら旅行や外食に使っています。
今はキャッシュレス化が進み、我が家も現金を持ち歩くことが少なくなってきたので、お弁当貯金は自然消滅していきましたが、「貯まっていく」のが見えると、やる気もアップして楽しかったです。
NISAをコツコツ継続
2年ほど前からNISAで投資信託をしています。一般的には、投資で得た利益には税金がかかりますが、NISAは税金がかからない制度なので、かなりお得です。
さらに、新NISAでは税金がかからない期間が「無期限」になったので、今後も保有し続けていく予定です。もう少し貯蓄が増えたら、投資額も増やしたいなと考えています。
暗号資産(仮想通貨)と個別株は、今後の状況によって変わりそうなので、今は様子見です。
※執筆時点(2024年10月)の状況です
私は、今より少しだけゆとりのある生活を送ることができれば幸せなので、リスクを抑えつつ、コツコツ積み立てていきたいと思っています。
まとめ
私は、日頃から家計簿をつけながら、先取り貯蓄やNISAを実践しています。
生活していると、奨学金のボーナス払い、団信(住宅ローンの保険)、車検など、10万円以上かかる出費も少なくありません。物価もどんどん高くなっていきます。
しかし、家計簿によって自分たちの生活費の割合や今後の予定がわかると、的確に対処ができます。たとえば、「来年の5月に車検がある」なら、「今月から先取り貯蓄を車検用にまわそう」という感じです。
家計簿をつけたことがない方は、まずはざっくりつけてみてはいかがでしょうか。「えっ、こんなに使っているの?」「思ったより貯金できそう」など、思いがけない発見があるかもしれません。
家庭の状況や投資のスタイル、自分の性格を考慮しながら、無理なく資産を増やしていきましょう。
執筆者:太田 えりこ(おおたえりこ)
AFP/2級FP技能士、元保育士
短大卒業後、保育士として15年勤務。2020年にフリーのライターへ転身。おもに投資、資産形成、生命保険、転職記事を執筆しています。わかりやすい記事づくりがモットー。
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